2003.06.22(達人セミナー(姫路)参加備忘録)

これまで広島や福山での達人セミナーに参加したが、この度は初めて姫路での達人セミナーに参加した。全体を通しての印象は、ワークショップ色の強い感じ、というものであった(ワークショップと書いてあるから当然と言えば当然なのですが…)。
まずは定番の谷口先生の授業のバージョンアップから始まった。これまでの広島や福山でのものと同じだなぁと思っていた ら、音読のさせ方などにおいてTOIECのやり方を踏襲したもの(音読筆写)を取り入れていたりして、谷口先生自身がバージョンアップされていたのは良い かと思われた。それにしても、音読ブームはかなり根強い感じがした。
続いては姫路の中学校のALT2人組によるワークショップであった。英語を使う環境づくり、というテーマで簡単にでき るアクティビティなどを紹介していた。本人が小学校の算数で使ったという”Around the world”というタスクを英語に応用したものを紹介して下さった。生徒2人に対してフラッシュカードを提示し、その語の過去形(や進行形、その他バリ エーションは可)を早く言えた生徒が勝ちとなる。勝った生徒は、そのまま一列ずれて次の生徒と対戦する。これを続けて、一番多く勝った生徒(つまりたくさ ん列をずれた生徒)が優勝、といった感じのゲームである(文章でうまく説明できているかが非常に怪しいですが…)。ALTが自身の経験を振り返り、その中 で英語学習に使えるものを応用している、という事実を目の当たりにし、やはり真摯なALTもいるものだと不謹慎かもしれないが感心しました。その他教室で 英語を多く使う上でのチップを幾つか紹介して下さいました。
午後からのセッションでは稲岡先生によるパワフルなワークショップが行われた。チャンツを使った過去形、過去進行形の 導入は実にパワフルであった。学生にそれと気付かない間に入力が行われてしまっている、という感じであった。その後、自身の子どもの頃の写真を見せ、過去 形を「きちんと(?)」導入する。その後、その文を使わせて自分のことを話させるという流れであった。するすると流れる展開は文法事項を習っている、とい う自覚を忘れさせてくれるのではないであろうか。また、自分のことを話させるために、ALTの協力を得、簡単なテレビ番組を作り、それを入力の補助として いた点も自然な流れの一つであった。
次のセッションは姫路では恒例となっているポトラックセミナーであった。希望者がアイデアをシェアするというものであ る。英語でうたを歌うのが好き、とギターをもって英語の数えうたを紹介して下さったり、英語のことわざカルタを紹介して下さったりした。単純な感想だが、 「色んな先生がいるもんやなぁ」という感じであった。
最後は広島の道面先生のセッションが行われた。中3の教科書にあるテレビレポーターとリサイクルマーケットの客とのイ ンタビューを改編してスキットを作る作業を参加者に追体験させた。ペア作りは英語ことわざの上の句と下の句を探し出して決めさせた。道面先生が実物を買い 物袋に入れ、それらを使って「何を買いましたか」などを問わせ、オチのあるスキットを作るというものだった。関西人の血が騒いでいるのか皆真剣に作ってい た。発表の時間には、英語教員なので英語はある程度当然なのだが、その演技力というか笑いを作ろうと必死になっている姿には圧倒された。
とかくいう私のペアでも「結構面白いですよねぇ」と私のアイデアが採用されたが、時間切れにより発表の機会がなかった。最後に道面先生の教え子はどうやったか見てみようと、ビデオを見たところ、私のアイデアとかぶってた…。私、中3レベルでした…。
その他、やはり音読練習に力を入れている様子がうかがえたし、速読訓練もさせているとのことであった。それらは、今ま での発表者と重なるものであった。道面先生の実践によって、朝から行われていた色々なワークショップが束ねられたという印象を受けた。それから、よく谷口 先生が言われていることであるが、伏線をはる、あるいは「流れを作る」という活動もいずれの実践にも共通していた点であった。
これを書いている今日現在では、とりあえず音読のやり方にバラエティを持たせることができた、という意味で有意義であった。伏線をはる、流れを作る、という点についてはまだまだ修行が足りないようである。(22.06.2003)