【研究メモ】 The Applied Linguistics Conference (ALANZ/ALAA/ALTAANZ) 口頭発表

The Applied Linguistics Conference (ALANZ/ALAA/ALTAANZ)(@Auckland University of Technology)にて,磯田先生@立命館大と “Introducing prosody instruction into Japanese secondary school classroom: A classroom‐based research”と題する口頭発表を行いました。

発表スライドを以下に置いておきます。もしよろしければご覧ください。

久しぶりの英語での発表と二人での発表もあり,少し時間を超過してしまい,質疑の時間が十分とれず,残念でした。それでも発表後に何人かの方に質問や助言をいただけたのは嬉しかったです。また,プロソディを指導することの意義を改めて感じることができたのはこの学会参加と発表の成果でした。

20年前(!)に留学していた地に再び立つことができたのも,本当に嬉しかったことの一つです。当時お世話になった先生に今回もお世話になりましたし,寮時代の友人と会えたことも良かったです。

【研究メモ】岡山県の「外部専門と連携した英語担当教員の指導力向上事業」教員研修でお話してきました

岡山県の「外部専門と連携した英語担当教員の指導力向上事業」教員研修にて,講師としてお話をする機会をいただきました。お題としては,「コミュニケーション能力を育成する効果的な指導と評価」だったのですが,私自身がお話できる範囲ということで,プロソディの指導と評価というところからアプローチしました。

今年夏のLET全国でのお話をベースにしつつ,中等教育学校・高等学校・大学での実践について,指導内容と評価の形態について説明を加え,評価については,発音の評価というところとスピーキングのパフォーマンス評価に触れるという形でお話しました。

プロソディの指導については,3つの原則についての概説と活動例の紹介をして,いくつかは実際に体験したり,ペアで読み合ったりとしました。ここから,普段の実践と何かしら絡めることができればいいな,というメッセージもお伝えしました。

こちらの実践の報告では,中等教育学校での実践の結果の一次報告と評価方法などの実際についてまとめました。音読や暗唱課題などが中心となりますが,その際の評価を,どういう観点から行っているのか,などを紹介しました。また,評価については,理解性(comprehensibility)を扱うことを提案し,Isaccs, Trofimovich, & Foote(2017) によるスケールや,今井・吉田(編)(2007)のHOPEの指標を紹介しました。

参加者は,岡山県の高等学校の英語の先生方109人。このような機会をいただくのは私自身初めてで,大変勉強になりました。先生方は研修の一貫で,午前にはTOEICを受験されており,ずいぶんと疲れていたはずですが,熱心に聞いて下さり,大変嬉しかったです。

余り参加者の先生方とお話することができなかったので,どう思われたのかが分からないのが不安です。いやー,ホントに緊張した…。

【研究メモ】全国英語教育学会第43回島根研究大会自由研究発表(実践報告)

全国英語教育学会第43回島根研究大会(8月19日〜20日@島根大学)にて,磯田先生@立命館大と「日本語を活用した英語プロソディ指導」という実践報告をしました。

以下,スライドと添付資料になります。よろしければご覧ください。

松江は大変過ごしやすく,いいところでした。なにより平らなのがよかった(笑)。

【研究メモ】第57回(2017年度)外国語教育メディア学会(LET)全国研究大会ワークショップ

第57回(2017年度)外国語教育メディア学会(LET)全国研究大会(8月5日〜7日@名古屋学院大学名古屋キャンパス白鳥学舎)にて,「授業に取り入れたいプロソディ指導」と題したワークショップを行いました。

ワークショップ時のスライドを以下に置いておきます。よろしければご覧ください。

【研究メモ】第42回全国英語教育学会埼玉研究大会

第42回全国英語教育学会埼玉研究大会(8月20日・21日@獨協大学)にて,「プロソディ指導に組み込みたい音節・強勢の指導ー教科書本文を用いてー」と題した共同研究の発表を行いました(第一発表者は磯田貴道先生@立命館大)。

発表時のスライドを以下に置いておきます。よろしければご覧ください。

【研究メモ】北海学園大学英語教育研究会第4回研究会セミナー

北海学園英語教育研究会主催の「北海学園大学英語教育研究会第4回研究会」にて,特別セミナー「もっと授業にプロソディ指導を!」を行いました。

前半は,私が担当して,提案する原則の基盤と言えるところを説明しました。後半は,共同研究者の磯田先生が,その提案を用いて授業実践に活かすにはどうすればよいかについてお話しました。

教員の方々,教員志望の方々に聞いていただき,タイトル通り授業でもっとプロソディ指導が取り入れられることを願っております。

発表時のスライドと配布資料を以下に置いておきます。よろしければご覧下さい。

個人的には,北海道はまだ2回目で,ろくに観光もしていないのですが,とにかく食べ物が美味しいので,2回とも充実した札幌滞在となりました。

【研究メモ】JASELE熊本での発表(8月22日・23日)

第41回全国英語教育学会熊本研究大会(8月22日・23日@熊本学園大学)にて,「核配置を重視したプロソディ指導—教科書本文を活用した指導法の提案—」と題した共同研究の発表を行いました(共同研究者は磯田貴道先生@立命館大)。

発表時のスライドを以下に置いておきます。よろしければご覧ください。

また,もう一件,広島大学の山内優佳先生@広島大学との共同研究の発表「英語の音声単語認知における誤りの分析」も行いました。

【研究メモ】English Journal(6月号)

2014年6月号のEnglish Journalでは,「決め手はリズムとイントネーション『発音いいね♥』と言われたい!」(pp.18-35)と題された特集記事がありました。記事の執筆は,発音指導で著名な靜哲人先生でした。

「これは読まねばならぬ!」ということで,備忘録メモを。

日本人的英語は「抑揚がなく平板」,「一本調子」であるという特徴が、その逆が英語らしい英語に「強弱や抑揚があって,メリハリがあり,なめらかに聞こえる」というもの(p.19)。英語の特徴をこのように表現するも,一般的にはただただ強く読むだけ、という傾向があるのも確か,「強さ」に「高さ」,「長さ」,そして「明瞭さ(不明瞭さ)」も加えておく必要があるという点は重要です。ここは私自身も実感があります。

そして,音節のお話に移行して,靜先生の著作を見ている人ならご存知の「ポンポンメソッド」です。音節の固まりを意識して,いわゆる第一強勢を大ポン,第二強勢を中ポン,それ以下の弱強勢を小ポンとして,大ポンのところは「強高長明」あるとするもので,本文の例だと,

de-part-ment 小 大 小   ポ ポーン ポ

となるというものです。こうした音節の固まりへの意識は,語単位から句単位,文単位に至るまで持ち続けることができると説明されています。

特集では,語から句,更には文に移行して,最後はSteve Jobsの演説でオーバーラップさせて練習するという流れになっています。

(勝手に自分に引きつけての覚え書き…)
ここのところ,手前みそで厚かましいですが,こちらの話と重なるので私としても注目しているのです。「音節構造から語強勢,句,文強勢,リズム・イントネーションをトータルで関連したものとして扱う」上では,この固まりの意識を十分に持つ必要があるからです。

後はこの特集で取り上げなかった点としては,核配置がユニットの最後にくるという原則あたりや,「イントネーション」とは題されていたものの,いわゆる上げ下げのような文末音調 など,については取り上げていませんでした。この辺り,いずれも意図的に外しているのかな,とも思いました。

前者は,時期を見て次に取り上げるのでは?という勘ぐりがあります。というのも,Jenkinsあたりでも述べられていることですが,あまり文末の上げ下げなどを騒ぐよりも核配置に意識を持っていった方がよいのでは,という主張あたりからも,あえて取り上げていないのではないかな,などと思ってこの記事を読んでいました。

ここは自分自身も注視しながら,自分たち自身でも指導について提案できるように頑張りたいなと思っています。

【研究メモ】Murphy (2014)

Murphy, J. M. (2014). Intelligible, comprehensible, non-native models in ESL/EFL pronunciation teaching. System, 42, 258-269.

こちらの概要を。他所にちぎっては投げしたものをつなげておきます。

この論文は,non-nativeの英語についてもモデルとして扱えるのではないか?とのことから,映画俳優のハビエルバルデムの出演したインタビュー番組を視聴を34人の教育関係者(全員いわゆるNS)に依頼,質問紙調査を行ったものです。

質問紙には,明瞭性・理解性・アクセントの度合いなどを5段階のリカートで尋ねるもの(Derwing & Munro 1995らへんのがベース)に加え,表情,ペース,更には語末についてや分節音の誤りなどについても尋ねる項目もありました。教育関係者に尋ねていることもあり、thought group,tone,intonation,prominenceなどの音声学用語なども項目には含まれていました。

結果としては,端的に言うと「non-nativeのモデルの一つとしてのバルデムいけるやん」ってとこに落ち着きました。明瞭性や理解性に貢献する要因としては,内容やパラ言語的特徴に加え,thought groupが確立していること,プロソディ要素の適切な使用,ペースなどが挙げられました。対照強勢や語末が不明瞭であること,分節音の誤りなどが,バルデムの発話をnon-nativeたらしめているとの回答を得た,と報告しています。

今後の課題としては、こういう事例を積み重ねていったらいいんでないの,とか,今回はNSが聞いたけどnon-NSが聞くパターンもいるよね,あたりとなりました。モデルとなりえるもの、として、サッカー選手のアンリや日本からは渡辺謙が参考情報としてあげられていました。

読んでみての問題点としては、質問項目に目がいきました。明瞭性や理解性,訛りの項目は,Derwing & Munro らのものを参考にしているとは言え,”I understood everything Bardem had to say.” に対してagree/disagree で明瞭性を尋ねてたりと,この辺まだまだ課題は多そう。

明瞭性・理解性といった概念が恣意的に記述されているというか、共通理解を得た上で、構成概念化されていないな、という印象です。これについては拙論でもまだ検討が必要であると述べているのですが、現在もそうなのかと認識を新たにしました。

それにしても、論文でハビエルバルデムの名前が出て、しかも、その音声を評定するという課題が出てくるとは…。それこそ、追試で、渡辺謙や本田選手(入団会見してましたね)の英語について調査を行うこともできますね…。

【研究メモ】JALT2013での発表(10月28日)

ずいぶん前になりますが,JALT Kobeにて “Pereption of prosodic cues by Japanese EFL learners” と題した共同研究の発表を行いました。

発表時のスライドを以下に置いておきます。よろしければ覧ください。